第247回 粋な会話
先日、人権団体「のりこえねっと」共同代表 辛 淑玉(しん・すご)氏の講演のダイジェストを読み、粋な会話について、とても感動しました。
辛さんがあるパーティーに出たときのことです。ある日系ペルー人の方が近付いて来て、「辛さん、歳はいくつ?」と聞いたのだそうです。辛さんは、「失礼な人ね」と思いつつも、「いくつに見える?」と聞き返しました。彼は、「30歳かなあ?」と言ったので、辛さんは「違う、違う」と言い、「私は38歳よ」と答えたそうです。すると彼は、「ボクはその歳が一番好きなんだ」と答えました。このようなシーンでは、普通の会話では「年齢よりずっと若く見えますね」などが多いようですが、この返し方の方がずっとおしゃれに感じました。
辛さんと彼はすっかり打ち解け、すてきな時間を過ごしました。そして彼は帰り際に、彼女の手に軽くキスをしました。彼女はうれしくなって、「私は今日はこの手を洗いません」と言いました。これに対しての彼の返しが絶妙です。「ボクは一生この口を洗わない」だったそうです。
いくつになっても、「大人の色気」や「おしゃれの心」は持ち続けたいものです。