第528回 語先後礼
私はいつも手元に日めくりカレンダーを置き,朝起きるとまず机に向かい,それをめくって読むのを楽しみにしています。
先日の標題は「語先後礼」でした。これは禅の言葉だそうで,その意味は「まずは相手の顔をきちんと見て,言葉を告げ,お辞儀をする」ということです。これを読んで私はドキッとしました。「日々会う人に対して,この語先後礼をきちんとできていないな」と反省したからです。
朝起きて,家内と顔を合わせた時も,目を合わすこともなく,また,心を込めることもなく儀礼的に「おはよう。」と言っている自分を恥ずかしく思いました。それと同時に,いつもトレーニングジムでお会いする,私と同年代の顔見知りの方のことも,思い浮かびました。
その方はジムの中で私を見つけると,いつも私の前に立ち,目をしっかりと合わせ「こんにちは」と言って,礼儀正しく深々と頭を下げられるのです。私はというと,照れくささもあり,曖昧な挨拶で応えてしまっていました。このような出会いが積み重なると,自然にその方への好意と尊敬の念で一杯になっていきます。
最近の世の中では,「語先後礼」を軽視する風潮にあるのか,「ありがとうございます」を「アザッス」などという言葉と簡単な会釈で済ませてしまうシーンも時々見受けられます。そんな世の中になればなるほど,「語先後礼」の習慣を身に付けた人は今後,光り輝く存在として注目を集めていくことでしょう。
