第227回 『ゴースト血管をつくらない33のメソッド』
私は先日、表題の本を読みました。著者は高倉伸幸氏、出版社は毎日新聞出版です。氏は、組織再生や癌組織における血管研究のトップランナーの一人です。
私はこの本を読んで、「毛細血管の大切さ」を痛感しました。例えば、皆さんや身近な人の「見た目」において、次のような症状が出ている方はおられないでしょうか。
・以前より太りやすくなり、痩せづらくなった。
・抜け毛が多く、髪のボリュームがない。薄毛も気になる。
・シミやシワなど、肌のトラブルが増えた。
・化粧のノリが悪くなった。
・手の甲に血管が浮き出るようになった。
・爪が欠けやすくて、筋が入っている。
・とにかく、むくみが気になる。
・かかとなどにひび割れができやすい。
このような症状が出るのは、体の表面にある毛細血管がゴースト化している可能性が高いとのことです。ここで私が興味深く感じたのは、「毛細血管のゴースト化」という表現です。
氏は、この「毛細血管のゴースト化」をとてもわかりやすい例を挙げて説明しています。
▸それは次の通りです。
「毛細血管とは、道路で言えば国道や広い通りではなく、家の近所にある細い道のようなものだ。毛細血管がゴースト化するということは、家の近所を取り巻く細い道がゴミなどでふさがってしまい、家に届くべき宅配の荷物が届かなくなってしまったり、家から外へ出すべきゴミが出せなくなっているような状態だ」ということだそうです。つまり、「毛細血管のゴースト化」とは、住居で言えば、町全体がゴーストタウンのようになった状態と言えます。
そのような状態が体の各部で起きれば、むくみが出たり、太りやすくなったりします。また頭皮の部分で起きれば、抜け毛などが増えることになります。また、そのようになってしまった人は、いくら病状を改善するための薬を飲んだところで、家まで宅配便が届かないような状態のわけですから、それを根本的に直さない限り、効き目はないとのことです。
この説明で、私は「薬を飲んでも効きやすい人と効かない人がいるのは、そういうことだったのか」と合点がいきました。このことから、高齢になっても、健康を保つ最も大切なことは、「健全な毛細血管を維持する」ことであるとわかります。
では、もう既に毛細血管がゴースト化している人はどうしたら良いでしょうか。本書を読めば、その改善の方法がわかります。この「毛細血管のゴースト化」について気になる方は、本書を一読されたらいかがでしょうか。