第203回 最近の子どもと言葉

先日の日曜日、久々にテレビで「サザエさん」を見ていて気付いたことがあります。それは、「言葉と時代の変化」です。「サザエさん」の時代は私の幼少年時代と重なり、家族4~5人に加え、おじいちゃん、おばあちゃんとの同居などがよくありました。

「サザエさん」を見ていると、そのような家族関係の結果、その中で多くの会話が飛び交います。そして、その会話が豊かで日本語がとてもきれいです。また、その中には「よく使われる四字熟語」なども入っています。例えば、カツオがいたずらをして、それがサザエさんに見つかり、叱られそうになると「これは絶体絶命のピンチだ」などのフレーズが出てくる点です。

私たちの子どもの頃は、このような豊かな言葉の中で育ち、知らず知らずのうちにいろいろな言葉を身につけてきました。しかし、今の子どもたちの置かれている環境はどうでしょうか。昔と比べ、家庭や学校、地域で言葉のキャッチボールが減っていないでしょうか。その結果、持っている言葉の乏しい子どもが増えているように思われます。

先日私は、名古屋で国語専門塾を運営しておられる「国語教室ミルン」の森田ちほこさんが書かれた、『おうちで伸ばす国語力!』という本を読みました。その本の中でも、国語力の土台は「まず語彙力、次に論理力、そして読解力と続く」とあり、我が意を得た思いでした。子どもの国語力を付けるには、家庭内での言葉のキャッチボールを増やしたり、主語・述語が入ったきちんとした会話をすることが大切なように思います。