第195回 人類にとっての「奇跡の一万年」とは?
私は出張のついでに青森県にある三内丸山遺跡に行ったことがあります。そこに行って驚いたことは、そのころの縄文人は、とても豊かな生活を送り、平和に暮らしていたということです。その縄文時代は何と一万年以上も続きました。日本にある縄文の遺跡は、数千ヶ所もあります。そのころの海外にある遺跡では、武器や戦って死んだ人の痕跡が残っています。
しかし、縄文時代の遺跡には、そのようなものは一切出土しないのです。食べ物も、海草、アワビ、魚などの海のものや、ウサギなどの小動物をふんだんに食べました。また、栗の木をたくさん植え、栗の実も常食していたようです。
このように、日本の縄文人は皆仲良く暮らし、争って殺し合うということをしませんでした。これは、世界に類を見ないことのようです。その後の日本では、第二次世界大戦で敗戦するまでは戦いの連続でした。現代人と縄文人では、何がどう違うのか、とても興味深いものです。