第196回 五つの欲求

五つの欲求と聞くと、アメリカの心理学者アブラハム・マズローの「5段階の欲求」をまず連想します。それに対し、別の見方からの「五つの欲求」もあるようです。私は、ある記事からその「五つの欲求」を知って、「なるほど、これは人のタイプを知るのにとても良い見方だ」と感じました。その「五つの欲求」は(有)志縁塾代表の大谷由里子氏が紹介しているものです。

まず一つ目は、「愛情の欲求」だそうです。この欲求が強い人は、放って置かれると機嫌が悪くなるそうです。つまり、いつも周りからの愛情を感じていたいタイプなのです。

二つ目は「承認の欲求」だそうです。この欲求が強い人は、「認められたい」「尊敬されたい」といつも思うようです。そして、人からは「頼りにしています」などの言葉を掛けられると嬉しく思います。

三つ目は「自由の欲求」です。この欲求が強い人は、自分で決めることにこだわり、人から「あれせい、これせい」と言われることを嫌います。

四つ目は「挑戦の欲求」です。この欲求が強い人は、「新しいことをしたい。もっと学びたい」などの気持ちが人より強いようです。また人からは「○○さん、変わっていますね」などとよく言われますが、このタイプの人にとっては、それが褒め言葉になるようです。

五つ目は「安心の欲求」です。この欲求が大きい人は、安心、安定を求め、人からは「大丈夫だよ」と言われると安心するようです。この「五つの欲求」を自分に当てはめてみて、「なるほど当たっている」と感じました。私は「承認の欲求」「自由の欲求」「挑戦の欲求」の3つについては強いこだわりを持っています。しかし、愛情や安心の欲求については、淡泊な方です。

つまり、「人から愛されたい」とか、「安らかな生活を送りたい」という気持ちより、「自分を向上させたい」とか、「自由でいたい」「良い仕事をして人から認められたい」という気持ちを強く持っています。そして、「鳥居さんは他の人と違う」とか「変わった人だ」と言われると、なぜか嬉しくなります。

一方、このような私に対して「安心の欲求」や「愛情の欲求」を最優先している方もおられることでしょう。人のタイプは様々ですから、自分の価値観を人に押しつけたり、自分のものさしで人を計ったりすることはトラブルの元になることでしょう。
この「五つの欲求」をいつも頭においておくと、相手をよく理解できるとともに、お互いを認め合う関係が生まれるのではないかと感じました。