第179回 「卍」は寺院を表す記号?

四月八日はお釈迦様の誕生日とされ、お寺ではその日に小さな仏像に甘茶などを注いで、洗い清めます。一般にはその日を「花まつり」と呼び、甘茶などがふるまわれます。

かつて日本は敬虔な仏教国家で、花まつりの日はとても重要でした。しかし今では、ケーキやプレゼントという楽しみがあるキリストの誕生日の方が、ずっと盛大です。これを見ても、日本とは何とも不思議な国だと感じます。

さて、地図では寺院を表す記号として「卍」が使われます。調べて見るとわかりますが、これは記号ではなく、れっきとした漢字です。最初、卍は古代インドの記号だったようですが、中国に伝わって、「吉祥万徳」の意味の漢字として使われるようになったとのことです。

身近なところにも、いろいろ興味深いものがあるものです。