第129回 口や体は何のためにあるの?

世の中には、五体満足な体で生まれてきても、その体を悪いことに使って、自分の人生をだめにする人もいます。逆に、体が不自由であっても、世の中の人々を元気付けたり、人の役に立つよう努力する人もいます。

元中学教師の腰塚勇人氏は、36歳の時にスキー中の事故で首の骨を折り、全身の機能を失い、食事も風呂も排泄も、看護師の介助なしではできなくなってしまいました。そのため、毎日死ぬことばかり考えていたそうです。

そのような環境の中で、周りからの励ましのお陰で、「懸命にリハビリに励み、もう一度教壇に立とう。」と決意したそうです。その事故から4ヶ月後、過酷ともいえるリハビリを乗り越え、氏は本当に教壇に戻ってきました。

その後、氏は天から与えられた体の大切さを、生徒や周りの人々に訴え続けました。氏はそのメッセージを後述のような「五つの誓い」としてまとめています。私は、この「五つの誓い」を読んで「全くその通りだ。『口、耳、目、手足、心』を本来の目的でないことに使っている人が何と多いことか。私自身も絶えず心掛けよう。」と感じました。

「五つの誓い」は次の通りです。「口は人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう/耳は人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう/目は人の良いところを見るために使おう/手足は人を助けるために使おう/心は人の痛みが分かるために使おう」