第124回 人間関係を壊しやすい言葉や表現
怒りに任せてきつい言葉を投げかけてしまったり、感情に流されて、言ってはいけないことを口走ったりしては、人間関係が壊れてしまいます。そして、それはなかなか修復することができないものです。私自身は昔、このような過ちをしがちだったものですから、今それをとても後悔しています。
では、どのような言葉を使わない方が良いのでしょうか。このようなことについても「アンガーマネジメント入門」という本に詳しく載っています。それは「絶対」「いつも」「必ず」という言葉です。
例えば塾生に向かって「お前はいつも計算ミスをする」、「必ず君は遅刻をする」「そんなことでは絶対成績が上がらない」などと言うことです。言われた側にすれば、「いつもとか、必ずとかおっしゃるが、ときにはできているのに」と反発することでしょう。これは、その言葉を言う側が、力ずくで相手を屈服させようというような思いがあるからだそうです。
確かに、自分自身を振り返ってみても、「自分がいつも正しい、相手が間違っている」というような思いが根底にあったような気がします。「絶対」「いつも」「必ず」という言葉を使いたくなったら、他に正確な表現ができないかとか、それに代わる言葉や表現を探すことが大切なようです。
また、「大げさに言う」「オーバーに言う」も避けた方が良いようです。例えば、上司が部下に対して「なんでこんな大事なことがわからないのだ」と言ったとします。それに対して部下は、「なんでそんなことで大騒ぎするのだ」と心の中で思います。そうすると、言っている側はますます苛立ちます。部下もますます反発します。これを避けるには、上司が大げさな表現やオーバーな表現を使わずに、その事態がどれだけ深刻なものか、その事が会社にどのように影響するのか、等を冷静な口調で丁寧に説明することが大切なようです。そうすれば、部下の心にも響きます。
1番気をつけた方がいい言葉は、「べき」という言葉だそうです。「これが1番正しいやり方なのだから、他のやり方はやるべきではない」とか、「みんなが残業をしているときは、帰るべきではない」等です。これらはほとんどが上司の独りよがりです。独りよがりを相手に押し付けても、相手は納得しません。自分の価値観や考えを押し付けようとしても、反発されるだけです。私は、昔はこのようなことをたくさんやってきたので、このようなことを聞くと、とても恥ずかしく思いました。やはり、対等な立場でフランクに、じっくり話すことが大切なようですね。