第123回 「怒り」をしずめる生活
皆さんは、すぐに怒りをあらわにしてしまう方ですか。それとも、いつもニコニコ穏やかにされている方ですか。私は今ではまだましになりましたが、昔は何に対してもイライラして、怒りをぶつけていました。
最近、『アンガーマネジメント入門』安藤俊介著〈朝日文庫〉という本を読んで、アンガー(怒り)について少し勉強しました。まず、怒りは「生きていく上で不可欠な感情である」ということを知って、とても驚きました。動物は、自分の前に敵が現れると、筋肉を緊張させ、心臓を速く動かして戦闘準備を整えます。勝てると思えば戦うし、負けると思えば一目散に逃げ出します。これが怒りのメカニズムだそうです。
私たちはまず、怒りは自然な感情であると知って、次に「どうしたらそれをしずめられるか」を考えることが大切なようです。怒りは、自分の「価値基準(コアビリーフ)」に関係しているとのことです。例えば、「上司が残業しているうちは、部下は残業するものだ」などです。もし、部下がこれに反した行動をとると、怒りが発生するとのことです。
確かに、昔の私は誰に対しても「○○すべきだ」「○○のようにあるべきだ」というように、「~べき」が多かったように思います。これを取り払うようにすると、大分怒りの原因を取り除けるようです。また人は、ストレスが多くなると怒りやすくなるようです。ですから、ストレスが少ない生活や、穏やかな心のあり方を目指すことが大切なようです。
また、怒りは人の体の反射反応のように、自動的には起こらないようです。怒りの感情が生まれるまでには、いくつかの段階が踏まれるそうです。ですから、怒りを感じたとしたら、それをすぐに表そうとせず、「100、97、94、91・・・」などと、100から3ずつ引いていく逆算を頭の中でするなどの行動をとると良いそうです。
怒りを相手に直接ぶつけたとして、何もいいことはありません。いつか怒りの感情が頭をもたげた時は、この方法を思い出し、試してみようと思います。