第89回 これからの社会

今,上海では流しているタクシーに手を挙げても,止まってくれないということをご存知ですか。これは,昔の乗車拒否とは違います。タクシーに乗るには,スマホで予約しないと乗れないようになっているからです。これは,中国に限らず全世界に広まっています。

その中心となる会社が,世界数十カ国で事業を展開しているUBER(ウーバー)です。街中でタクシーに乗りたいと思ったら,スマホでウーバーのアプリを開きます。すると,地図上に乗車可能な車の位置が表示されるので,そのタクシーを呼ぶのです。

目的地に着くと,料金はクレジットカードで自動的に引き落とされます。その時に,領収書とともに「運転手の5段階評価」を求められます。この評価が低いと,だんだん配車のオファーを受けられなくなるそうです。また,乗客も運転手から評価を受けるそうで,悪質な客は排除される仕組みだそうです。

さらに,このシステムは個人のドライバーにまで広がっているそうです。つまり,「白タク」です。お金の支払い方法や運転手の評価方法などの仕組みが普通の白タクとは違うので,トラブルも少なくなるとのことです。またこの料金は,普通のタクシー運賃より安いとのことで,ドライバーにも乗客にも好評だそうです。

しかし,このシステムが日本で実施されると,タクシー業界は困ってしまうので,まだ日本では認められていないそうです。このような試みは,個人が外国人に宿泊のための部屋を貸すなどの仕組みにも広がっているようです。このような仕組みがどんどん発展すると,これからの社会は大きく変わることでしょう。楽しみでもあり,少し怖い気もします。