第88回 多摩川の不思議

多摩川は川崎市を流れる大きな川です。今から30年ほど前は、人々が流す下水の水で汚れていて、とても汚い川だったそうです。それが今では、アユもいっぱい上ってくる綺麗な川になっています。その秘密は一体どこにあるのでしょうか。

多摩川の源流は山梨県の笠取山です。その水が奥多摩湖に集まり、青梅市(東京都)の辺りを流れています。その下流の羽村市には小さなダムがあり、その水は全部家庭用の水道水として使われてしまうそうです。つまり、そこで多摩川の水は一旦消えることになります。

では、川崎市を流れる多摩川の水は一体どこから来ているのでしょうか。それは下水処理場からだそうです。周辺の家庭で使われた水は、全てマンホールを伝って下水に集められ、そこで綺麗になった水を多摩川に放流するそうです。下水にやってくる最初の水は、猛烈に臭いそうです。その水も下水で処理されると、飲んでも大丈夫なくらいになるそうです。

下水が一番困るのは、あたたかい水だそうです。そのため、お風呂のお湯は、お風呂を使い終わったらすぐに流すのでなく、一晩おいて冷ましてから流すのが環境に良いそうです。
環境保持のため、せめてそれくらいの協力は皆でしたいものですね。下水は縁の下の力持ち的な役割を果たしているのですね。