第71回 「賢い子」に育てる究極のコツ

先日、上記の本を読みました。この本を書かれたのは教育関係者ではなく、16万人の脳画像を見てきた脳医学者である瀧 靖之氏です。氏は、東北大学加齢医学研究所の教授です。氏の研究テーマは「認知症」です。認知症にならないためには、①運動 ②コミュニケーション、人との関わり ③趣味や好奇心、が大切だそうです。

この研究を通じ、氏は「好奇心」こそ脳を活性化させ、頭を良くする原動力だと気付き、「賢い子」に育てる秘訣もここにあると発見したそうです。では、好奇心を育てるには、具体的にどのような方法をとったらいいのでしょうか。

1つは、3~4歳の頃から「図鑑」を与えることだそうです。親子で図鑑を見ながら話し合うとか、夜寝る前に一緒に見るのがいいようです。それと同時に、リアルなことと結びつけると更にいいようです。つまり、動物の図鑑を与えたらしばらくして動物園に行って、一緒に動物を観察するなどです。これにより、子どもの脳の中は、ヴァーチャルとリアルが結びつき、興味・関心が更に伸びるとのことです。

本を読んで、私は塾で教えていた時のことを思い出しました。塾で授業をしていると、グングン伸びる子とそうでない子に分かれることに気付きます。グングン伸びる子は、何にでも興味を持ってドンドン質問したりします。一方、そうでない子は、何を言っても面倒くさそうに「それが何なの?」という感じで反応が鈍いものです。そのような体験を通じ、やはり学力向上には好奇心が不可欠であると納得しました。

この本はとても読みやすく、その他のテーマとしても興味深いことがたくさん取り上げられています。例えば、「英語は何歳くらいから学び始めるのが効果的か」とか「睡眠時間と学力との関係」などです。このような内容について、興味をお持ちの方は、一読されたらいかがでしょうか。