第547回 「納得」の大切さ

ある社長さんが社員さんに「なぜ,その仕事をやっているのか?」と尋ねたとします。皆さんなら,どんな答えが返ってくると思いますか。

「会社の方針だから」とか,「以前からやっているから」と答える人も多いかもしれません。

伊丹十三監督の映画に『スーパーの女』という作品があります。その映画にはスーパーで働くパートの女性たちが登場するのですが,彼女たちは決して自分が働く店で買い物をしません。なぜかというと,その店では「古くなったお肉は挽き肉にし,さらに古くなったお肉はハンバーグにし,最終的にはメンチカツにする」という流れが当たり前だったからです。それを知る彼女たちは「誰がここで買い物をするものか」と思っていました。

そんな店に主人公・花子が登場し,店を変えていきます。まず,新鮮な肉で挽き肉を作りました。ハンバーグ,メンチカツも同様です。「これなら私たちも買える」と,パートの女性たちも喜ぶと同時に,売り上げも評判もみるみる上がり,お店も繁盛していきました。

ここで大切なことは何でしょうか。

それは「納得」です。「会社の方針だから」という理由で,スタッフが腑に落ちないまま仕事をするのと,「家族や友人に誇れる仕事をしている」と,納得して仕事に取り組んでいるのとでは雲泥の差が生じることでしょう。

我が身を振り返ってみて,この「ブログを書く」という仕事一つにしても「またブログを書く期限が迫ってきた。取敢えず間に合わせで書こう」という気持ちで書くのではなく,「皆さんに役に立つ納得できるものを書こう」という気持ちでは,結果に大きな違いが出ます。仕事の結果は,本人の気持ち次第ですね。会社においては全スタッフが「今しているすべての仕事は,納得いくものだ」と感じられることが理想なのかもしれません。なお,このブログは,ユニ・チャームのある事業部を立て直されたり,ハウステンボスの劇的な黒字化に貢献された,坂口克彦氏(現・長崎県公立大学法人 理事長)の講演ダイジェスト文を参考にしました。