第540回 良好な親子関係

先日,NPO法人 日本アドラー心理学カウンセリング協会理事長 鈴木稔氏の講演ダイジェスト文を読みました。氏は29歳の時,アドラー心理学と出会い,大きな衝撃を受け「自分も人生を変えたい」と思うようになりました。そして,その学びによって生きることが楽になり,やがてアドラー心理学の講師として活躍されるようになりました。

人間関係には競合的関係と協力的関係があります。競合的関係では「相手を思い通りに動かしたい」という「支配欲」が働きます。その結果,親は子を激しく叱ったり怒ったりするようになります。これはよく「○○!早くしなさい」などと親が子に厳しい口調で命令しているような場面で見られます。

このような関係を続けると,子どもは怒られないと行動しなくなったり,親の顔色を気にして動くようになります。また,自信を失ったり,嘘をつくようになったり,親に相談しなくなったりします。そして親自身もイライラや怒りといった不快・苦痛・否定的な感情が生まれます。すると子どもは「親は自分のことが嫌いなんだ」「自分を信じてくれない」と感じ,親を信頼できなくなってしまいます。

一方,協力関係とは「言葉で交流し,お互いを助け合い,協力して物事を進めていく」という関係です。この関係を築くためには,子どもを一人の人間として尊敬し,信頼し,共感することが大切です。「信頼」にしても相手から信頼されるから信頼するのではなく,まず自分から相手を信頼することが大切で,それが共感へとつながるようです。

このような考えを知ると,私自身がしてきた子育てや,職場の人間関係について,反省すべきことがたくさん思い起こされました。そして,多くの人がアドラー心理学を学んだとしたら,ずいぶん人生を楽しく生きられるのではないかと感じました。