第464回 ミネラル不足に注意

皆さんは,筋肉のけいれんなどの経験はありますか。その原因の一つには,カルシウム,ナトリウム,マグネシウムなどのミネラルの不足が考えられます。それらの微量元素は,体と心と感覚を正常に保つために必要不可欠な物質です。特にマグネシウムが不足すると,筋肉のけいれん,神経過敏,抑うつ感,食欲不振,吐き気,嘔吐,下痢,便秘などの症状を引き起こします。マグネシウムはにがり成分として海水中に多く含まれていますから,アオサやひじきなどの海藻類を摂るように心がけるといいようです。またマグネシウムは,そば,キビ,玄米,きな粉,納豆,ゴマ,アーモンドなどにも多く含まれています。
さて最近,発達障害の児童の増加が問題になっていますが,その原因として,鉄分などのミネラル不足が関係しているという説もあります。また,ミネラル不足によって体の不調を訴える人も増えているようです。
では最近になってなぜミネラル不足が起きているのでしょうか。それはコンビニ弁当やスーパーで販売されている総菜などの加工食品の多くでは,食材を水に浸すなどして敢えてミネラル成分を抜いているからです。
では,なぜそんなことをするのでしょうか。それは「食品をおいしくするため」です。マグネシウムなどのミネラルはにがり成分ですから,ミネラル分を残したまま調理すると,苦みが残ってしまうのです。そのため,総菜を作る過程で出来るだけその苦みを消すために,水につけるなどして,そのミネラル成分を抜こうとするわけです。つまり「おいしさ」の追求のために,体に必須な「栄養分」が犠牲にされていることになります。
このようなことが考えられるので,私の家ではコンビニ弁当やスーパーなどのお惣菜よりも,自宅で調理した料理をできるだけ摂るようにしています。またさらに私自身は,みそ汁にはイワシ,トビウオ,コンブなどから作られた天然出汁を振りかけ,それらに含まれるミネラル成分を補給しています。そのおかげもあってか,この夏も元気に乗り切れそうです。