第459回 万一の地震に備える

日本では,「30年以内に70%から80%の確率で巨大地震に見舞われる」と言われています。それは30年後ではなく,今この瞬間かもしれません。そのような警告を発し,防災の活動をしている方がいます。それが国際災害レスキューナースの辻直美さんです。私は辻さんの意見やアドバイスを「日本講演新聞」を通じて知りました。辻さんは看護師として活動中に,阪神淡路大震災を経験。実家全壊を機に災害医療に目覚めて活動し,『レスキューナースが教えるプチプラ防災』などの本も書かれています。

辻さんの話を読んでいて特に驚いたのが,震度7以上の地震の様子です。その規模の地震になると,物が倒れたり落ちたりするレベルを超え,「物が飛んでくる」のだそうです。実際,阪神淡路大震災の時には,2m先にあった重さ14キロほどのテレビデオが,辻さんめがけて飛んできたそうです。なかには,飛んできたフライパンに当たって出血多量で亡くなった方もおられたそうです。

このような話を聞くと,自分の寝室はもちろん,家の中の隅々を見直し,どこから何が飛んできても身を守れるような物の配置も大切だと気が付きます。そして,そのような事態になったら,助けを求めても救助に来てくれることは不可能に近いと考えて,「自分の身は自分で守る準備」を今から整えておくことが大切とのことです。

大地震はいつどこで起きるかわかりません。辻さんはそれを想定して,「ソーラーライト」,自分の住所や緊急連絡先などが書かれた「防水メモ」,「コンパス」,「万能ナイフ」などが入った「防災ポーチ」を持ち歩いているそうです。また自宅には水やレトルトご飯,カセットコンロ,缶詰などの備蓄用食料や備品などの備えも重要とのことです。