第460回 「場」の力

皆さんは東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行かれたことはありますか。そこではいつも,スタッフの笑顔が溢れ,それにつられて多くのゲスト(お客様)もワクワクした気持ちになっていきます。さて,そんなディズニーリゾートでは,「お客様の誕生月にバースデーシールをプレゼントする」というサービスがあります。そのシールを見たスタッフは「○○さん,お誕生日おめでとうございます!」と,明るい声で笑顔全開,アイコンタクトもしっかりとって,心からお祝いします。そんなふうにお祝いされたら,誰でも「キャー嬉しい!」「また来年の誕生月にぜひ来たい」と思うことでしょう。
ところが,もし○○さんが同じことを東京駅でされたらどうなることでしょう。「あなた誰?こんなところでやめて下さい」と不快な気持ちになることでしょう。つまり,同じことをされるのでも,その「場」によって人の気持ちは変化するものだということです。
このような事例を職場や家庭に置き換えてみてはどうでしょうか。明るい挨拶や笑顔が溢れている職場では,良い空気が満ちて楽しく働けることでしょう。もしここに,暗くて無気力な人が入って来たら,そこにいる人は違和感を感じることでしょう。それを「場違い」と言います。

では,「場を良くする」ために大切なことは何でしょうか。それは「相手に対する感謝」や「相手を大切にする心」かもしれません。つまり,「自分にとって相手はどうでもいい存在」として捉えてしまうのなら,挨拶も表情もいい加減なものになります。その逆なら,挨拶も元気のいいものになり,表情も明るくなることでしょう。

倫理法人会での学びの一つに「人の喜び,我が喜び」というものがあります。いつも「相手に喜んでもらいたい,それが自分の喜びである」と思って過ごしていけば,自分の居る「場」はより良いものになっていくことでしょう。なお,この文章は(株)ワンダーイマジニア 代表 今井千尋氏の講演ダイジェスト文を参考にしました。