第452回 「親切」に込められた意味

皆さんは日頃から「電車内で高齢者に席を譲る」とか,「道に迷って困っている人に道順を教える」などの小さな「親切」を心がけていることでしょう。さて,この「親切」という言葉をよくよく見ると,「親」を「切る」ということになります。なぜ「親切」が親を切ることに結び付くのでしょうか。

まず,「親」について考えてみましょう。これは「親しみ」と捉えることができます。つまり,相手の人の立場をよく観察して把握し,「寄り添う気持ち」を持つということでしょう。
次に「切」について考えてみましょう。「切」には「切断する」という意味もありますが,「切望する」とか「切に望む」といった言葉もあります。つまり,「切」には「心から」とか「ひたすら」という意味もあるのです。以上のことから,「親切」とは「親しみを持って相手を心から思いやり,相手のために尽くすこと」と言えそうです。時にはこのように,「漢字の持つ意味」を考えてみるのもいいかもしれません。