第431回 「違い」を見分ける力

世の中の動植物には,鮃(ヒラメ)と鰈(カレイ)など似ているものがたくさんあります。冬の時期に咲く山茶花(サザンカ)と椿(ツバキ)もその一例です。開花する時期は山茶花が10~12月,椿は12月~翌4月であり,山茶花の方が早く大きくなります。両者の大きな違いはまず咲き方で,花が平らに広がって咲くのが山茶花,丸く立体的に咲くのが椿です。その散り方にも違いがあり,前者は花弁が一枚ずつ散っていくのに対し,後者は花全体がポトッと丸ごと地面に落ちます。

また,菖蒲(ショウブ),アヤメ,杜若(カキツバタ)の花も似ているので,その見分け方は厄介です。このような場合,見分けるポイントを掴んでおくことが大切です。例えば,アヤメという名称は,「網目(あみめ)」からきているので,外側の花びらに網目模様があることから見分けられます。また,アヤメは水辺に自生しないので,水の中に生えているのは杜若か菖蒲だとわかります。

勉強でも「違いを見分けるポイント」を押さえておくと,役に立つことが多くあります。何事においても,うやむやに済ますことなく,本質を追及していきたいものです。