第432回 女子商業高校の快挙
前年の国公立大学合格者は0人だったのに,翌年の合格者はなんと20人も輩出したという女子商業高校があるのをご存知ですか。それは福岡女子商業高校で,その快挙は32才でその高校の校長として赴任してきた柴山先生の努力によるものです。
その快挙の秘密は徹底した小論文対策です。4月に着任した柴山先生は,すぐに小論文の講座を設け,意欲溢れる生徒に小論文の指導をしました。生徒たちは初めは問題文の理解すら難しい上,文の書き方もわからないため,1本の小論文を書くのに,数時間も苦悶していました。しかし,それにもめげず生徒たちは,新聞や本を読み,先生の解説を聞いて練習を重ねるうち,少しずつ書けるようになっていきました。
小論文は結論ではなくプロセスが大事な科目です。例えば,チャットGPTについて問われたとします。その場合,賛成か反対かはどちらでもよくて,例えば賛成ならば賛成で,その根拠をエビデンスと共に示すことが大切です。そのために,先生の授業は質問攻めで,徹底して生徒に考えさせるのだそうです。
そのような努力の結果,小論文の推薦入学で,山口大学経済学部などの合格実績を上げることができました。この話を知って私は,先生の指導もさることながら,それについていった生徒の努力に,つくづく脱帽しました。