第398回 がんの正体

私たちの身体は「管(かん)」でできています。口からお尻までが「消化管」で,鼻から肺までが「気管」です。また身体中には「血管」が張り巡らされています。これらの管は,栄養や酸素の取り入れ口であるとともに,侵入する外敵を排除するバリアの役目もしています。その分,管の内面は一番傷つきやすいのです。

暴飲暴食や過度な喫煙などの不摂生をすると,管の内側の粘膜が傷つき炎症が起こります。不摂生をやめればその炎症は一週間ほどで治ります。しかし,その後も不摂生を続けると,やがてそこに穴が空き,「潰瘍」になります。潰瘍を治すために入院して不摂生をやめ,適切な治療を受けると,潰瘍の周りの正常な細胞が分裂して,傷口を塞いでくれます。

さて,その後も懲りずに不摂生を続けたらどうなるでしょうか。さすがの正常な細胞も,細胞分裂が限界に達し,それ以上細胞は分裂しなくなります。

そこに登場するのが,永遠に細胞分裂できる「修復細胞」つまり「がん」です。がんは元々,私たちの命を救うために登場してきた親切な細胞とも言えます。

以上の文章は,本などもたくさん執筆されている,がんの専門医であるナグモクリニック総医院長,南雲吉則氏の講演ダイジェスト文をもとにしています。

この説によれば,がんは私たちにとって「悪者」というより,「私たちが自ら招いたお客様」とも言えることでしょう。では,このお客様を招かないために大切なことは何でしょうか。それは生活習慣の改善であり,一番気をつけるべきなのは「食生活」とのことです。そして以下の4つの「摂り過ぎ」をやめることのようです。

(1)ウエストの太さの原因はカロリーの摂り過ぎ
(2)高血圧は塩の摂り過ぎ
(3)高血糖は砂糖の摂り過ぎ
(4)高脂血症は油の摂り過ぎ

この記事は,自分自身の食生活を見直すきっかけになりました。