第379回 中学1年生の英語力の現状

私は時々,京都のある塾の先生と情報交換をしています。先日はその先生から,塾のテキストで勉強した後のチェックテストの現物を見せていただきました。以下は中1生の10月末のテストの答案です。
▶まずは通知表の評価が「3」の生徒のものを紹介します。
「だれがあなたに英語を教えますか。」→ Who is teaches English to you ?
「だれがあの部屋にいますか。」「花子がいます。」→ Who is that room ? – It is Hanako.
「土曜日に(2語)」→ in Satodei

▶次の英作文は,通知表の評価で「5」をとっている生徒のものです。
「いま,雨が降っています。」→ It is rains now.
「あなたは朝食に何を食べますか。」→ What are you eat for breakfast ?

▶これらの答案を見て,皆様はいかがお考えでしょうか? 学校でも学び,優秀で熱心な先生が指導しても,生徒たちの英作文の出来はこのくらいです。

私はこの答案を見て,現在の中学英語の問題点は,次の2つだと考えています。

(1)中学生は今回の英語の改訂で,従来より倍近くの英単語の読み書きをマスターしなければならなくなった。従来「Saturday」などの単語は,中学1年の秋にゆとりをもって覚えればよかったが,今では小学校で登場する。しかしそれは音声のみでの登場である。そのため,発音は何となく覚えていても,スペルまでは書けないという状況が加速している。よって「土曜日 → Satodei」などとなる。→つまり現在の中学生は数多くの英単語の海の中で,溺れそうになっているような状況だと考えられます。

(2)今回の改訂では,基本的な英文法の解説やトレーニングはほとんどなされていない。よって,最近の中学生は「be動詞と一般動詞の使い分け」など,英文法の基本中の基本ができていない。よって,Who is teaches English to you ? などの英文を作ってしまう。

ではこのような現状を打破するには,どうしたらいいのでしょうか。私は理想的には,中学入学前に塾に在籍する小6生に対し,基本英文法について一通り学習させておき,簡単な英作文は書けるようにしておくということがベストだと思います。その準備ができている生徒は,中1英語テキストにすんなりと入っていくことができるはずです。逆に,その準備ができていないままに中学英語に入った生徒は,何が何だかわからないままに時間だけが過ぎていく,ということになります。そして中1の秋ぐらいには,英語嫌いになってしまう生徒が増加します。そのため,学年全体を見ても,英語の定期テストの平均点が100点満点中ずっと30点台という学校も多いようです。

このような現状を解決すべく,当社では11月15日に,『中学英語へのかけ橋』(本体A4判・72ページ,ホームワークプリント付,定価:税込990円)という,小学英語と中学英語を橋渡しする教材を発刊致しました。まずこのテキストでは,小学校で学び,中学生では必須となる350語程度の重要英単語の読み書きをマスターさせます。

次に英文法の基本や,be動詞と一般動詞の文型などを「整序英作文」を通じて,徹底トレーニングします。さらに,それらの定着を万全なものにするために,「ホームワークプリント」を付け,繰り返し練習できるようにしました。中学英語はスタートが肝心です。皆様におかれましては,ぜひこのテキストを利用し,他塾では真似のできない充実した中学英語準備コースを設置されてはいかがでしょうか。このテキストは,「中学英語に強い生徒をたくさん輩出する塾」という点で,大きな差別化にお役立ちできるものと信じています。なお,当テキストの詳しい内容やページ見本は,こちらをご覧ください。

『中学英語へのかけ橋』 教材紹介ページ
https://www.tsumugi.ne.jp/books/book_chueikake.html