第342回 打つ手は無限

少子化やコロナの影響で,塾業界も苦戦しています。しかし,そのピンチの中でも伸ばしている分野があります。その一つに「幼児教育」があります。都心エリアでは,幼児教育は「お受験」であり,月謝は4万円以上します。それ以外では幼児教育は「習い事」として捉えられ,その月謝は1万円程度です。

それらの費用を年間でみると,「お受験」は特別講習も入れると100万円を上回り,「習い事」は十数万円といったところです。このような現状の中,都内のある塾では,国立大附属小学校の受験を目指した層にターゲットを絞り,50名以上の生徒を集め,1拠点10か月で2千万円以上の売り上げを上げたそうです。

これは,「費用的な問題もあり,私立の小学校は受験しないが,何らかの幼児教育は受けさせたい。しかし,私立受験対策の教室は敷居が高すぎる」といった層を見事にキャッチしたからです。このようなターゲットの層は東京に限られるかもしれませんが,国立大附属小学校が近くにある地区なら可能性があるかもしれません。何事も打つ手は無限と捉えることが大切かもしれません。