第296回 最近の赤ちゃんの名前
先日、新聞を読んでいたら「2020年生まれの赤ちゃんの名前人気上位」という記事が載っていました。それを見ると、私が生まれた70年程前や、私の子供が生まれた40~45年前とは、「名前に対する人々の感覚」が大いに違ってきている事に驚きました。
私たちの「名前」に対する感覚では、男性なら「隆史」「純二」「守」「知夫」というような感じで、女性なら「紀子」「明美」「幸」「順子」などが普通です。
一方、今の若い人の「名前」に対する感覚は次の通りです。男の子の名前の人気1位~5位は、蒼(あおい),樹(いつき),蓮(れん),陽翔(はると),律(りつ)です。また女の子の名前の人気1位~5位は、陽葵(ひまり),凜(りん),詩(うた),結菜(ゆな),結愛(ゆあ)です。
これらを見て、皆さんはいかがお感じになられたでしょうか。私は真っ先に、学校の先生が生徒名簿を見ながら、子供たちの出席をとる場面を想像してしまいました。その出席簿には、生徒の名前の上に「ふりがな」がついているのでしょうか。ふりがな(ルビ)なしに、「樹」や「陽葵」という名をすぐに読める先生はどれくらいいるのでしょうか。また、子供が自分の名前を書くとき苦労しないのか、と他人事ながら心配してしまいました。
日本人の感覚を50年,100年という単位で見ると、随分変化しているものなのですね。