第289回 相手の視点に立つ
先日、いろいろな記事を読んでいて「なるほど」と思ったことがあります。人間はどうしても「自分中心」で言葉を発してしまうものです。このとき、相手の視点に立って考えたり、しゃべったりすると、人間関係がうまくいきやすいとのことです。
例えば、ファストフード店のアルバイトの店員さんが、お客さんに向かって、「フィッシュバーガーができるまで4分くらいかかるのでお待ち下さい」と言ったとします。これは店側からの言葉です。このような言い方をすると、お客さんの中には「4分もかかるのか、じゃあやめにしておこう」という人も出てくるかもしれません。
では、次のように言ったらどうでしょうか。「できたてをご用意しますので、4分間お待ち下さい」。これは、「お客さんに喜んでもらおう」という立場からの言葉です。しかしよく考えると、「4分間も待つのだから、できたてが出てくるのは当たり前だ」とわかりますが・・・(笑)。
全店員が、このようなお客さんの立場に立った言い方に統一すれば、この店の日々の売り上げも変わってくることでしょう。このような、相手の立場に立った考え方や言い方を身に付けると、次のような場面にも役立つとのことです。
例えば、気になる女性をデートに誘う場面を想定してみましょう。いきなり「僕とデートして下さい」と切り出しても、「YES」の返事は期待できないことでしょう。その言い方は「自分中心」だからです。このようなシチュエーションの場合には、まず、デートの誘いの前に相手の人に対し、「注意深く関心を持つこと」が大切とのことです。「どうしたら相手の人に喜んでもらえるか」という視点で注意を払って見守り、観察すべきだそうです。その結果、相手の人は「新しいものに興味をもち、イタリアンが好きな人だ」と発見したとします。すると、デートのお誘いとして「最近、あるイタリアンのお店が開店して、そこがとってもおいしいと評判なのですが、今度ご一緒しませんか?」というフレーズが浮かんできます。このお誘いの方が、前述の「僕とデートして下さい」より、ずっと「YES」の答えを引き出しやすくなることでしょう。
このように考えてくると、いつも私が文中で掲げている「人の喜びが我が喜び」というフレーズが、その考え方の根底にあると感じました。