第282回 来年度からの中学教科書
今私たちは、来年度の新教科書の分析を始めています。全体的に、知識を覚え込んでいくということより、「なぜそうなるか?」を考えさせる傾向が強まっています。但し、学習内容は以前より増えているので教科書のページ数も増え、生徒の負担はますます大きくなっています。そのため、それらを読みこなすだけの国語読解力も求められ、しっかりした土台に基づく国語力も、より必要となっています。それらの変化に対応するには、せめて小学校高学年から塾に通い、英語や国語、算数の基礎を固めておくことだと思います。
さて、中3の理科の教科書を見ていて驚いたことがあります。遺伝に関するメンデルの法則についてです。今までの用語は、「優性の法則」,「劣性の法則」でした。それが、来年度からの教科書では「顕性(けんせい)の法則」,「潜性(せんせい)の法則」に変わります。子ども達にとって、「顕」と「潜」という漢字はあまり馴染みがないと思われ、混乱を招くかもしれません。こんなところにも国語力の大切さが表れているように感じます。