第270回 ミネラル摂取の大切さ

私は先日、「食学ミネラルアドバイザー」国光美佳氏の講演のダイジェスト文を読みました。ミネラルは、野菜、煮干、昆布などに含まれている重要成分です。食事を通じて、ビタミンと同様にミネラルをしっかりとらないと、体調を崩したり病気になったりします。

国光氏の話の中に、「こうちゃん」という小学2年生の男の子が出てきます。「こうちゃん」は、ちょっとしたことですぐイライラしたり、キレて暴れたりします。偏食がすごく、朝御飯はスナック菓子。学校の給食は、ほとんど食べられません。夕食は家族と別メニューで、カップラーメンやチキンナゲットです。

こんな「こうちゃん」の食生活をいきなり変えるのは、拒否反応が出て無理がありました。そこで国光氏は、昆布や煮干などを濃縮した、天然出汁(以下、ダシ)をカップラーメンに少し混ぜるなどの工夫をして、少しずつ「こうちゃん」の体にミネラルを入れていったそうです。

ダシ摂取から2週間後、「こうちゃん」の体や精神、行動に変化が現れました。今までなら、教室で奇声をあげたり、外に飛び出して行ったりしていたのに、ずいぶん落ち着けるようになり、描く絵も変わってきたそうです。このことから国光氏は、発達障害の原因にはミネラル不足もあるのではないか、と考えるようになったとのことです。

確かに、従来から「カルシウムが不足するとキレやすくなる」とか、「コンビニ弁当ばかり食べるなど、マグネシウムなどが不足する食生活を送ると心筋梗塞にかかりやすくなる」などと言われてきました。ミネラルをとることは、健康を保つ上でとても重要なようです。コンビニ弁当、冷凍食品、スーパーなどで買うお総菜ばかり食べるのも、要注意のようです。それらで使われている野菜の多くは、中国でカットして、それを冷凍して輸入し、日本で流水解凍して調理されているようです。そのため、本来野菜に含まれているビタミンやミネラルは、ほとんど水と一緒に流れ出てしまっているようです。つまり、それらの食品の中には、「見た目は普通でも中身はスカスカ」というものもあるようです。

もし、塾生の中に「元気や覇気がない」「根気がなく何事に対しても投げやりである」「いつも疲れている」「すぐにキレる」などの症状が目立つ子どもがいたら、それは性格や学力の問題以前に、ビタミン、ミネラル不足の食事が続いていないかについて考えることも大切なようです。また、塾新聞などを通じ、保護者に対して、食事の重要さについての啓蒙をすることも大切かもしれません。