第271回 聞くことの大切さ
私はあるとき、「人間の顔には口は1つしかないが、なぜ耳は2つあるのか」という問いがあることを知りました。その答は、「自分からしゃべることよりも、聞くことの方が2倍大切だから」とのことです。
確かに、身近な人のことを思い浮かべても、「自分が話をしている途中に相手が割り込んできて、自分の話をとってしまう」という人がいます。そのような人に出くわすと、「この人とはあまり関わりたくないな」と感じてしまいます。
3月9日付けの『日本講演新聞』にも、実践営業プロデューサーの山下義弘氏の「聞き方」についての話が載っていました。氏は、今まで14万人以上の人たちに「理想的な両親像やパートナー像、上司像」についてのアンケートをとったそうです。その答のうちの98%は「最後まで自分の話を聞いてくれる人」だったそうです。つまり、「最後まで自分の話を聞いてくれるお母さんが最高だ」「真剣に私の話を聞いてくれる先生から学びたい」「きちんと私の報告や意見を聞いてくれる上司のもとで働きたい」ということになります。
私も振り返ってみると、相手の話の途中で「わかった、わかった」などと話を中断してしまったり、最後までじっくり相手の話を聞けない、などということがよくあります。そのようなときは、逆の立場に立って「自分が相手からそのような態度をとられたら、どんな気持ちになるだろうか」と考えるのも大切かもしれません。