第207回 日本の国は「わからない!」

外国人が日本にやってくると「わからない!」ことが多くあるそうです。例えばウォシュレット。ウォシュレットは日本独特のもので、ヨーロッパなどではまだ広まっていません。そこで、外国人がウォシュレットに遭遇すると、何が何だかわからず、そこら中のボタンを触りまくり、お尻がびっしょりになって、パニックになったりするそうです。また、「旅館」にしてもそうです。「夜は部屋食で、適当な時間に仲居さんが布団を敷きにきてくれる」などの文化は、外国人には全く理解できないそうです。

日本人はそんなことは当たり前だと思っていても、外国人にはわからないことだらけのことが多いようで、外国人の立場に立って、いろいろな説明書きを用意しておくことが大切なようです。そういうことを理解して、私たちが外国に行くと「わからない!」と感じることは少ないと気付きます。それだけ、外国の文化が日本に入り込んでいるからでしょう。

私が一生のうちで一番「わからない!」と思った体験があります。それは五十年前、トルコからインドに向けてバスで旅行した時のことです。バスがイランのある町でトイレ休憩で止まり、そこで入ったトイレがそれです。トイレの中にはトイレットペーパーはなく、あるのは水瓶に入った水とひしゃくです。私はあの時の狼狽ぶりを、今でも昨日のことのように覚えています。