第193回 ジェネレーションギャップ
(有)志緑塾代表の大谷由里子さんの講演のダイジェスト文を読んでいて、「なるほど、今の若い人とは、このようなジェネレーションギャップがあるのか」と驚いたことがあります。
例えば「電話による通信」がそうです。私たち60代の若い頃は、電話による通信といえば、黒電話による通信でした。友人と話をするためにその家に電話をかけると、まず友人のお父さんやお母さんが電話に出られました。そこで、少々のやりとりがあって、次に友人に取り次いでもらいました。そこでは否が応でもあまり知らない人と会話することが余儀なくされ、とても緊張したものです。
ところが、今の若い人は幼い頃から携帯電話のやりとりが中心ですから、そのような体験はほとんどないことでしょう。携帯電話では、いきなり話したい相手と直接しゃべることができるからです。
ですから、今の若い人が「電話を通じて見ず知らずの人と話す」というトレーニングができていなくて当然といえます。
そのような体験を積んでこなかった若者が会社に入り、会社の電話が鳴ったとします。そこで先輩が、「おい、○○君、その電話取ってくれ。」と頼んだとします。するとその若者は「えっ、取っていいんですか?この電話、非通知ですよ。」というような笑い話も生まれるそうです。
このように、平成生まれの若者と40歳以上の年代の人間には、ベルリンの壁くらいのジェネレーションギャップがあるそうです。大谷さんが自社でインターン中の学生さんにその話をしたそうです。するとその学生さんは、「大谷さん、ベルリンの壁って何ですか?」と聞き返したそうです。ベルリンの壁の崩壊は1989年で、その学生さんの生まれる前の出来事です。大谷さんは、「ここにもジェネレーションギャップがあったのか。」と驚いたそうです。
今現在、私自身は10代や20代の若い人と話す機会がほとんどありません。一度是非若い人といろいろな話をしたいものだと思いました。