第184回 日本人の感性
先日、一般社団法人 愛光流 代表の山本清次氏の講演のダイジェスト版を読み、「なるほど!」と感心しました。
氏によると、日本人は外国人に比べ、とても感じる能力が高いそうです。それが、「わび」や「さび」などの言葉に表れています。「わび」とは不足の美を表現する様です。「さび」は元々は時間の経過と共に劣化する様を表現したものです。それがやがて静寂の中に感じられる美を表す言葉になりました。
日本人はこのように、外国人とは違った鋭い感受性を持っているようです。例えば、お茶の世界では襖を開ける時に、ノックはしません。ほんの少し襖に手を入れてスーッと開けます。日本家屋は紙や木でできているので、中にいる人は摺り足の音や障子に映る影などで、「誰か来たな」と気配を察します。だから、ノックするという習慣はありません。しかし、西洋人は違います。必ず「コンコン」とノックして、自分が来たことを知らせます。
こんな話を知って、「確かに日本人は西洋人よりも感受性が高い」と感じました。ただし、同じ日本人でも無神経な人もいれば、感受性が高い人もいます。私自身は庭に花を植えたりして季節や花々の美しさを感じるようにしていますが、このようなことを通じて、自分の感性を高めていきたいと思っています。