第18回 郷中(ごじゅう)教育

今私はNHKの朝ドラの「あさが来た」を好んで毎日観ています。そこでは明治維新の頃の日本が舞台で、激動の時代における人々の心や生活の変化などが描かれていて、とても興味深いものがあります。そして、そこでは大阪の経済活性化に貢献した五代友厚が時々登場します。

五代氏は薩摩(鹿児島市)の出身です。その頃の薩摩からは大久保利通や西郷隆盛など、沢山の偉人が生まれています。なぜ薩摩から明治維新に貢献した沢山の偉人が生まれたのでしょうか。

それは、薩摩藩伝統の郷中にあったようです。郷中とは、今でいえば町内会単位の自治会組織のようなもので、鹿児島市内でおよそ30の郷中があったといわれています。郷中では6,7歳から24,5歳までの青少年が1グループになって、一緒に学んだり、武芸の稽古をします。

その団体生活の中で、躾や道徳も学んでいきました。その考えは、①負けるな ②嘘をつくな ③弱い者をいじめるな、の3点だそうで、子どもたちはこれを徹底的に叩き込まれたそうです。

今の子どもたちを取りまく環境はどうでしょうか。郷中を知って、今の教育には何か欠けているところがあると感じました。