第167回 あるメキシコ人との出会い
先日、札幌で知人の紹介で、あるメキシコ人夫妻を知り、親しく会話する機会を得ました。ご主人は40歳代で、メキシコでIT関係の会社を経営されている、頭脳明晰な方でした。
今回の来日は、数ヶ月にも及ぶ新婚旅行の一コマとのことで、そのリッチさに驚きました。そんなことができるのも、仕事がIT関係なので、ネット環境さえあれば世界中どこでも仕事が出来るからだそうです。また、ご主人は以前、日本に2~3年留学していたとのことで、かなり流暢な日本語を話されていました。また、スペイン語はもちろん、英語もペラペラでした。
現在私は、語学の習得に興味を持ち、その研究をしていることから、彼に「日本語をマスターするために一番大切なことはどんなことですか。」と質問しました。すると彼は、即座に「それは日本語の文法を理解して、それを駆使出来るようにすることです。」と答えました。つまり、日本語の文法さえマスターできれば、あとはその文法に基づいて、単語を入れ替えていけばいいので、ほとんどのことはそれで表現できてしまうということだそうです。
今回の日本の英語改革は、文法よりもシチュエーションごとの英語を覚えていくことを重視しているようです。それも大切かもしれませんが、そのような英語の学習法では、レポートや論文を書いたり、相手を説得するためのプレゼンテーション用の英文をつくったりする場合にも通用するのでしょうか。また、大学入試の際に必要となる長文読解にも対応できるのでしょうか。私としては、その辺のところがとても疑問に思うので、今回の改革の行く末を、もっとじっくり見極めていこうと思っています。