第162回 群馬への帰省

私は先日、母の一回忌で久々に群馬に帰ってきました。その日は快晴で、群馬三山(妙義山、榛名山、赤城山)はもとより、遠く浅間山や谷川連峰も見渡せました。これらの山を見ると、「故郷に帰ってきた」と、感慨が深まります。山々を見ると、「自分自身や周りの環境は変わっても、山々はいつも変わらず自分を迎えてくれる」という感じで、山の偉大さを痛感します。

帰りは時間があったので、道の駅に寄りました。そこにはたくさんの野菜が並んでおり、京都より値段も安くおいしそうなので、たくさん買い込み、持参したスーツケースに詰め込みました。それはまるで、京都から群馬へ野菜の買い出しに来たようなものでした(笑)。家に帰って、その中の1つである「ちぢみホウレンソウ」というのを食べました。それが、あまりに甘くておいしいので驚きました。

ところで、皆さまは、なぜ寒風に吹きさらされて育った冬の野菜が甘いかご存知ですか。植物にとって、冬の最大の恐怖は、寒さによる細胞の凍結です。そこで体内の細胞液の糖度を高めることで、体を凍結から防ぐというわけです。

群馬に帰ると、昼過ぎから強く吹き付ける「からっ風」を感じ、冬の厳しさを思い出します。その寒さを乗り越えた野菜の恵みに、改めて感謝しながらいろいろな野菜をおいしくいただきました。