第155回 進化する評価制度

ある情報誌を読んでいて、驚いたことがあります。それは、斬新な人事評価制度です。

一般に、人事評価制度は給与や賞与に連動します。しかし、それだけでは多様化する各個人を正しく評価することはできず、各社員の貢献度に対する適切な報酬を決めるには無理があります。そこで、その会社内だけで通用する仮想通貨を用いて、その不備を解消するシステムが登場しています。

例えば、めがねやサングラスのチェーン店を運営する(株)オンデーズが採用しているシステムがそれです。その会社では、例えば1ヶ月無遅刻無欠勤だと9千マイル、1年間だと3万マイルがボーナスとしてもらえます。1マイルは3円相当なので、9千マイルでは約2万7千円ということになります。

その他にも、店舗が月次売上高を達成すると、店長には3万マイル、社員には9千マイルが与えられます。また、会社に業務の改善案を出したら、500マイル、そしてそれが採用されたら1万マイルがもらえるそうです。つまり、会社に貢献すればするほど、マイルがたまるという仕組みです。

たまったマイルを利用する仕方もユニークです。ダイソンの掃除機などに引き替えられるのはもちろんのこと、乗馬の体験券や「専務と銀座の高級クラブで飲む券」などにも引き替えられます。

これらのシステムがうまく機能する裏には、スマホのアプリの力があります。つまり、たまったポイントをいつでもスマホから見ることができるという仕組みです。この仕組みは、社員のモチベーションを上げて離職率を下げるだけでなく、教育・評価・採用までが含まれた制度になっているようです。