第135回 良く噛むことの大切さ
先日、ある若手弁護士さんと食事をする機会がありました。その時に一番驚いたことは、「食べるスピードがとても速い」ということでした。
そこで、その方に「体調はいかがですか。色々と不調なところはありませんか」と尋ねました。すると案の定、不眠や胃の不調など、色々な健康上の悩みを抱えているとのことでした。
そこで私は、「健康を回復するのに、一番簡単で誰にでもできることがありますよ。それは、食物を口に入れたら一旦箸を置いて、30回以上噛んでから飲み込むことです。」とお教えしました。その方はとても仕事が忙しく、昼食などを充分噛むことなく、5分から10分で食べているとのことでした。
食物を良く噛むと、唾液に含まれる成長ホルモンの一種、パロチンの分泌量が増えます。パロチンは、体の組織を修復する手助けをしたり、重要な役目をします。また、唾液にはEGF(上皮成長因子)というあらゆる細胞の増殖に関係するホルモンが含まれます。つまり、何回も噛んで食事をする人は、そのようなホルモンをしっかり分泌させつつ、胃や腸の消化吸収にも負担をかけない習慣を身につけていると言えます。
塾の仕事や、毎日忙しい仕事に携わっている人は、とかく食事時間が短くなりがちです。心当たりがおありの方は、今日の夕飯から「食物を口に入れたら一旦箸を置き、1口30回は噛んでから飲み込む」という事を試してみてはいかがでしょうか。