第134回 「鳥貴族」経営のすごさ

ある経営情報レポートで、280円均一 焼き鳥専門店「鳥貴族」の経営方法について知りました。そして、その手法に驚きました。

私は家内の手料理ばかりを食べているので、ほとんど外食をしません。ですから、普通、チェーンの居酒屋などにはほとんど行くことがありません。また、出張の時は地元の居酒屋などに入り、その地の魚などを食べることを楽しんでいます。チェーンの居酒屋は、どちらかというと外国産の食材などの利用が多いように感じ、足が遠のいていました。

しかし、「鳥貴族」の経営内容を知って、何かのきっかけがあったら利用してみたいと思いました。
「鳥貴族」は、この5年間で売上高は3倍、営業利益は10倍以上伸ばしているそうです。その経営法のコツは、「やらないことを決める」ことと、「原価率の高さ」のようです。私が居酒屋に行って、あまりいい気持ちがしないことの一つとして、「お通しが勝手に出てきて、それも別途料金が必要である」ということがあります。「なぜ、頼んでもいないものが出てきて、それを食べさせられるのか」と感じます。

「鳥貴族」では、「お通し」は出ず、その代わり、注文したらすぐに出てくる「スピードメニュー」というものがあるそうです。私はそのシステムに「なるほど!」と感心しました。ビールとともに、自分の食べたい一品がすぐに出てくるシステムというのは、とても理にかなっています。そんな細かい所にも目を配っているということにも、その経営法のすばらしさを感じました。

また、普通の居酒屋さんなら、生ビール(中)が一杯400~500円程度ですが、「鳥貴族」ならそれも全て280円だそうです。それは、酒呑みの側からすればとても魅力的です。その価格設定は原価率を押し上げるので、「鳥貴族」からすると大変だと思いますが、お客の心をよく掴んだ値段設定だと感じます。更に、看板メニューの焼き鳥は、一般の居酒屋の原価率を度外視して、どれもジャンボサイズで国産の新鮮な鶏だけを使って、差別化しているようです。

このように、世の中の居酒屋の常識を覆し、自分たち独自の哲学を貫いていると感じられる「鳥貴族」にとても興味を覚えました。