第132回 認知症や意識障害への理解
先日、上田脳神経外科 院長 上田孝先生が講演した内容のダイジェスト文を読みました。それにより、ようやく認知症や意識障害がどういうものか、よく分かりました。また、どうしたら認知症や意識障害にかからずに済むかということも理解できました。
まず、「意識」とは何でしょう?先生は、「意識とは真っ暗闇の中を照らすサーチライトだ」と説きます。闇の中で、目指す目標にパチッとサーチライトを当てるには、2つの条件があります。1つは、サーチライトをきちんと狙いすました所に当てられるということです。もう1つは、そのサーチライトに充分な光量があるということです。
その「意識」障害とは、どのような状態かを理解する適切な例があります。それは、お酒を呑みすぎて酔っ払った状態です。お酒を呑みすぎてしまうと、足取りが危なっかしく、ろれつもよく回りません。また、次の日には前日のことをよく覚えていません。私はお酒が好きで、昔はよくそんな風になるまでお酒を呑んでいたので、その状態がとてもよく分かります。
認知症や意識障害にかかった人は、絶えずそのような状態になっていると考えると、その症状をほぼ理解できました。
では、認知症や意識障害にならないようにするには、日常どのようなことに心掛けていったらいいのでしょうか。
歳を取ると、全身の血の巡りが悪くなり、それが心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。認知症や意識障害も、脳内の血流不足が原因で起こるとのことで、とても合点がいきました。それが分かると、「誰でも手軽にできる脳を活性化させる方法」が理解出来ます。その1つとして、手をグーパーグーパーすることです。それをするだけで、普段は流れが悪い部分の脳の血流が10%良くなるそうです。また、目を左右に動かしたり、垂直に動かしたりするのも良いようです。そうすると、脳の前頭葉の血流が良くなるため、脳のサーチライトが狙いすました所に充分な光量で当てられるようになるとのことです。
世の中には、運動もせず、一日中テレビの前に座っている年輩の人もいると聞きますが、そのような人は、認知症や意識障害になりやすいのかもしれません。歳を取っても、こまめに料理をしたり、庭いじりをしたり、よく体を動かすことを心掛けるのが大切なようです。
お手玉遊びなども、お手玉を追って目を上下に動かすので、前頭葉の血流が良くなり、とても効果があるようです。