第109回  “こんまり”さんの「ときめき片づけ術」

皆さんは“こんまり”さんの「ときめき片づけ術」をご存知ですか? “こんまり”こと近藤麻理恵さんは、2010年に『人生がときめく片づけの魔法』を書き、世に出したところ、100万部を超えるミリオンセラーを記録しました。

また、このシリーズは海外でも好評で、累計300万部を突破しました。また、2015年には米国「TIME」誌の「最も影響力のある100人」にもノミネートされました。

この本の魅力はどこにあるのでしょうか。私も『人生がときめく片づけの魔法』が出版されたとき、人に勧められて読みました。その本の中で一番感動したことは、物の捨て方の基準がとてもシンプルであることです。それは、物を残すか捨てるかの基準は、「その物に対して心がときめくかときめかないか」ということだそうです。

例えば、ある服がとても高価な物で、1~2度しか着ていないとします。その場合、普通なら「高かったし、少ししか着ていないから、もったいないので残す」と考えがちです。でも、こんまりさんは、そのような場合であっても、「その物に対し、心がときめかなかったら捨てなさい」と説きます。

更に、物を捨てるにしても、「今までありがとう。窮屈なところに閉じ込めていてごめんね」という心が大切だと説いています。そのような考え方を発展させていくと、靴下を収納するときに、ペアとなるものと裏返してまとめることは、御法度だそうです。

つまり、「靴下は一日中激しく使われているわけである。洗濯が終わり、次の出番まではタンスの引き出しの中での休養期間である。よって、その際に靴下を結んでしまうのは、靴下にとってかわいそう。」と考えるわけです。

私はそのような考え方はとても日本人的で斬新なものだと感じます。その根底にある「物に感謝する」という考え方が、海外の人々の共感を呼んでいるのではないかと思いました。