第108回 「サービス」と「おもてなし」

私が愛読している「宮崎中央新聞」の記事を読んで知った話です。航空会社に勤務しておられた白駒さんは、「接客業」ではなく「接遇道」に携わっているのだと肝に銘じて、仕事をされていたそうです。

彼女によりますと、「接客」と「接遇」では提供するものが異なるのだそうです。「接客」とは「サービス」でありマニュアルが存在しますが、「接遇」は「おもてなし」であり、人の数だけの「おもてなし」がうまれるのだそうです。

そして、「おもてなし」というのは、単なる「ホスピタリティ」ではなく、「日本流のホスピタリティ」だというのです。それは、ドアの開閉における概念においても、日本独特のものがあるのだそうです。

ヨーロッパでは、外から部屋の中に入る場合、必ずドアを押して入るのだそうです。つまり、中から押し返せば外敵の侵入を防げるので、ドアは「閉める」ものだと思っています。しかし、日本人はドアを「開く」ものだと考えているのではないかというのです。ヨーロッパ人が「他人は敵」と思って「警戒」しているとすれば、日本人は「他人は隣人」と思って「心を開いて」いるのかもしれませんね。