第74回 驚異の国エストニア
皆さんはバルト三国のうち、一番北にある小国、エストニアをご存知のことでしょう。エストニアの国土は日本の約9分の1、人口は約131万人、岩手県とほぼ同じくらいの人口です。エストニアの通貨はユーロです。ユーロを導入するには、財政赤字がGDP比3%以下などの厳しい条件があります。エストニアはこの条件を満たすに足りるほど優秀な国です。(ちなみに借金の多い日本は、そのような条件をクリアできないそうです。)
さて、そのエストニアには、税理士という職業に携わっている人はいません。エストニアは「eガバメント(電子政府)」というデータベース(DB)システムを構築しています。国民はICチップの入ったIDカード(身分証明書)を所持し、その国民DBから全ての行政サービスを受けられるそうです。国民は国民IDのチップを格納したSIMカード入りのスマホで、eガバメントにログインしたり、選挙の投票もできたりしてしまうのだそうです。
そして驚くことに、銀行口座の取引まで国が全て把握しているとのことです。そのため、税金は全て自動計算となり、企業も個人も納税申告の必要がないのです。よって、税理士さんは皆無なのです。政府の考えは、「人口130万人程度の小国では、そのようにして不要な職業を削っていかないと、国が発展しない」というものだそうです。
また、ネット上で閣議が行え、その審議の内容や経過は100%国民の監視下にあり、国家の運営は完全に「透明」だそうです。(よって、日本のような税金のバラ撒きなどの政策は、入り込むスキがないそうです。)また、「電子健康管理」「電子教育」などのシステムを通じ、個人個人の健康のデータや生徒の成績や出欠なども、全て国などが把握できているとのことです。
いかがでしょうか。このような国家に対し、「とても窮屈だ」などの意見もでるでしょう。1つの方針の下に、ここまで徹底した国づくりをする国があることを知って、とても驚きました。