第56回 後醍醐天皇

今、私は歴史のテキスト作りに専念しています。そのテキストは、単なる暗記中心の無味乾燥のものでなく、流れやストーリー性を重視し、歴史上の人物や事件に親しみを持ってもらえるものにしたいと思っています。

歴史を勉強していると、とても個性的で興味深い人物に出会います。後醍醐天皇もその一人です。後醍醐天皇は鎌倉幕府を倒し、天皇中心の世の中に戻したいと行動し、そのために倒幕の計画を進め、1324年に実行しようとしますが、幕府側にもれて失敗します。更にその7年後の1331年にも挙兵しますが、失敗して隠岐に流されます。普通の人ならこの辺で諦めるところではないでしょうか。

ところがどっこい、後醍醐天皇は隠岐を脱出し、足利尊氏らに呼びかけ、とうとう1333年に鎌倉幕府を滅亡させます。その後、後醍醐天皇は意気揚々と、その理想とする天皇中心の政治「建武の新政」を始めます。しかし、それは2年もたたずに崩壊し、吉野に逃れ、南朝を起こします。

以上のような歴史を知れば知るほど、私は後醍醐天皇のしぶとさを感じ、ある意味とても親しみを覚えます。