第53回 アリの行列になぜ渋滞が起きないか?

高速道を車で走っていると、時々、事故などが起きているわけでもないのに車の渋滞に遭うことがあります。それは一体なぜなのでしょうか。また、地面を見ると、アリの行列に出会うことがあります。アリの行列は整然としていて、渋滞がありません。それは一体なぜなのでしょうか。

道路交通の渋滞における経済的損失は、日本国内で年間12億円とも言われます。もしドライバーの協力で渋滞を緩和できたら、とても快適なドライブができるでしょう。

この答えは東京大学先端科学技術研究センターの西成活裕教授の提唱する「渋滞学」にあるようです。そのポイントはとても簡単なことです。それは、「車間距離を詰めない」ことだそうです。

確かに、車間距離を詰めた運転をしていると、前の車が減速した時や上り坂などで、渋滞が発生しやすくなります。また、ゆとりをもった車間距離を心掛けると、事故を減らすこともできます。

「渋滞を防ぐには車間距離を詰めない」という答えには拍子抜けしますが、確かにアリの行列では、アリ同士はきちんと一定の距離を保っています。人間もアリに見習わねばなりませんね。