第542回 自営型社員のすすめ
今,世の中では就職をしても数年で会社を去る若者が多いと聞きます。そして,次のような若者が増えているといいます。
・待遇も環境も整った「ホワイト」な職場であっても,成長実感が得られず,仕事に物足りなさを覚えて離職する。
・仕事に対する熱意がなく,最低限の仕事しかしない。
こうした状況を受け,日本企業は職務(ジョブ)を限定して雇用契約を結ぶ,欧米式の「ジョブ型」雇用を目指そうとしています。しかし日本には,その移行を阻む壁があります。それは次の2点です。
・日本では欧米のように即座に雇用を打ち切ることができないため,その職務が消滅した場合に打つ手がなくなる。
・せっかく育成した人材が転職してしまう可能性が高まる。
そのような状況の中で注目を集めているのが,「自営型社員の育成」です。
例えば,京都府にある長島精工という工作機メーカーでは,機械1台の組み立てを丸ごと1人の社員に任せ,製品には製作者のネームプレートを貼って出荷しています。これにより,製作者の製品に対する思い入れが強くなり,機械の品質も向上し,若手の離職もほとんどないということです。
確かにこのようなシステムはこれからの社会の良い在り方を示しているように思います。
振り返って我が社も,社員や私自身自らが教材を執筆し,展示会の時期はそれを持って全国で営業活動をするという仕組みで動いています。こうすると,自分達が作った教材の評価もダイレクトにわかり,作り上げた喜びも湧き,ヤル気にもつながっています。これは大きな会社では味わえない醍醐味なのかもしれません。
なお,この原稿は『離職ゼロ。「自営型社員」が会社を変える!』太田肇著〈東洋経済新報社〉を参考にしています。
