第51回 断りの極意

会社や組織で働いていると、上司からの急な仕事の依頼や飲食の誘いは仕事に付き物です。そんなとき、人間関係を重視して無理にそれに応じると、私生活に支障を来したり、体を壊してしまうなどの弊害が出ます。そんな時はどうしたら良いのでしょうか。

このような場合、とかく「人間関係を壊したくない、嫌われたくない」と思い、ついつい無理して引き受けてしまうことが多いものです。しかし、自分にとって何が大切かをよく考え、安請け合いするより、自分にとって重要な選択をするのが良いようです。

ここで大切なことは、「断り方」や「伝え方」です。あまり良くないのは、「自分の事情だけを相手に伝える」という言い方だそうです。

例えば、「この仕事を、今日、残業してやってくれたまえ。」などの要求に対し、「今日は約束があるのでお受けできません。」などの言い方です。これでは相手の要求をストレートに退けてしまい、相手は立つ瀬がなくなり、カチンときます。

このような時には、「相手が何を求めているか」を知ることが大切です。「その仕事の期限はいつまででしょうか。」などと聞くのが良いようです。そうすれば、「いい仕事をしたいので、明日早出して頭がすっきりした状態で頑張りたいのですが、それでいかがでしょうか。」などの交渉も可能になります。

このように、「相手が何を求めていて、どうすればお互いに折り合いを付けられるか」を考えて対応すると、お互いがうまくいくようです。また、飲食などのお誘いを断る際には、申し訳なさや、残念な気持ちを強調することも大切なようで、「是非同席したかったのですが、残念です。本当に残念です。」などという言い方が良いようです。