第490回 異色東大生の国語勉強法

1998年生まれの神田直樹氏は,中学生の時に東大を目指すことを決め,高校にも塾にも通わず,通信制のNHK学園を経て独学で2018年東大に合格しました。氏の経歴は異色で,小学校時代はドイツのミュンヘンで7年間過ごしたり,両親からは「1日30分以上は勉強してはいけない」というような不思議なルールの中で育ちました。そして中学の時東大合格を目標に決め,そのための勉強を続けたようです。

その時に考案したのが「書く勉強ではなく,読む勉強」,しかもマンガを通じた勉強だったそうです。マンガは文字のみの本と違って,内容の理解を助けるための次のような利点があります。

1.フォントやコマ割りなど,作品内に強弱がある。
2.セリフとともに表情や情景が描かれているため,ストーリーへの理解はもちろんのこと,言葉や表現への理解も深まる。

こうしたマンガの特性のため,文字のみの本では掴みにくい複雑な内容も理解しやすくなります。このような勉強の結果,氏はなんと東大に合格してしまったのです。そして氏は現在「国語」に特化したオンライン個別指導を立ち上げています。氏は国語力アップを期待できる小学生用のマンガとして,次のようなものを推薦しています。

1.「かりあげクン」(植田まさし)
2.「コボちゃん」(同上)
3.「フリテンくん」(同上)
4.「OL進化論」(秋月りす)

以上はすべて4コママンガです。氏は国語力を上げるマンガにおいて4コママンガの右に出るものはないと考えています。その魅力は何と言っても短さ。20~30秒で読めてハードルが低い一方,たった4コマから面白さを感じるには読解力が求められます。また,起承転結の論理や行間を理解するトレーニングとして非常に優れているようです。