第483回 会社の存続

今回は少しお堅いテーマについて,ある本を読んだり,自分なりに考えてみました。会社や企業が継続的に成長・発展するためには,何が必要でしょうか。

「強い営業力」「付加価値の高い商品」「効率的な組織運営システム」など,いろいろな答えが出ることでしょう。いずれも間違いではありません。ただ1つだけ確かなことは,会社は周囲と共存することで存続できるということ,つまり,「世の中から支持されること」で会社は生き続けていきます。

さて,私自身は年末になるといつも1990年の都麦出版創業時のことを思い出します。その年の末には「みるみるわかる中学理科」のテキストを全国の主な塾様にPRしていました。忘れもしない大晦日の午後,愛媛県松山市のある塾の先生から電話がかかってきました。
内容は「鳥居さん,テキストの見本見ましたよ。今までになく生徒の側に立ったわかりやすい本ですね。感激して電話しちゃいました」というものでした。塾を経営しながら,おっかなびっくりで作った教材でしたが,「お客様から支持されている」と感じ,とても嬉しく思いました。
それからは,「現場の塾の先生方やその塾に通っている生徒さんに支持される教材」を念頭に掲げ,その方針をぶらすことなく新刊を作り続けてきました。それが会社の存続に結び付く大きな要因になったようです。塾を取り巻く現況は,厳しさを増していますが,それだからこそ塾にとっても出版社にとっても「真に求められているものの追求」が必須になるだろうと感じます。