第478回 目の大切さ
第478回 目の大切さ
皆さんの現在の目の様子はいかがですか? 以下のような症状はありませんか?
最近,視力が落ちてきた。目が疲れやすい。夜間に車の運転をすると,以前より車のライトが眩しく感じられる。物が歪んで見える。
このようなことが気になったら,眼科での検査を受けられた方がいいかもしれません。最近はテレビ,ゲーム,スマホなどの「光る画面」を近い範囲で視る機会が増えているため,近視になる人が増加しています。また,10代~30代の健康な目の持ち主でも,スマホを使い過ぎると近くのものにピントが合いにくくなり,老眼のような状態(いわゆるスマホ老眼)になりがちです。私自身も最近の健康診断で白内障の疑いがあると指摘され,慌てて目に関する勉強を始めました。そこで知ったのは「目の寿命」です。皆さんは「目の寿命」は何歳だと思われますか。
それは何と「70歳」です。つまり,目の耐用年数は基本的に70年ということです。それだけ目という臓器は酷使されやすく,劣化もしやすいと言えます。それでは目を大切にして,できるだけ長持ちさせるためには,どんなことに気をつけたら良いのでしょうか。
生まれたての赤ちゃんの目は曇りがなく透明です。しかし,年を重ねるほど紫外線などの影響で徐々に濁っていきます。少し乱暴な例えですが,これはちょうど生卵をゆでると,透明だった白身が白く固くなるのと似ています。そしてその白身は,もう二度と元には戻りません。これが白内障の原理です。そして強度の近視がある人は,正常な人に比べて4.55倍も白内障になりやすいそうです。このことから,白内障から身を守るには,サングラスなどを利用して,目に入ってくる紫外線をできるだけ防ぐようにすることと,目を守るための成分が豊富な緑黄色野菜を多く摂ることも大切です。さらに,近視にならないよう,子どもの時から注意することです。
また最近は,スマホ,パソコン,テレビなどを視ることが多く,眼精疲労を感じる人も多いことでしょう。それを少しでも防ぐには,次のようなことに注意を向けると良いようです。
1.スマホなどのデジタルデバイスと向き合う時間を減らす。
2.定期的に遠くを視る。
3.睡眠時は遮光する。
さらに,ドライアイにも注意しましょう。ドライアイの兆候には次のようなものがあります。
1.涙が出る
2.眩しい
3.目が疲れる
4.目やにが出る
5.目がかすむ
6.目が充血する
自分自身の目がドライアイになっているかを知る簡単なテストがあります。それは「目を開けて何秒間その状態を我慢できるか」というものです。順天堂大学の研究では「その時間が12.4秒以下ならドライアイの可能性がある」とのことです。私自身も実験してみたところ,約11秒でした。私はこれから白内障だけではなく,ドライアイについても注意せねばと感じました。なお,目に関する以上の情報は『視る投資』平松類(眼科医/医学博士)〈ACHIEVMENT PUBLISHING〉を参考にしています。