第470回 世界一美しい食べ方
皆さんは,自分が食べている姿が周りからどう見えているのか考えてみたことはありますか。また,周りの人を見て「あの人の食べ方は上品で美しい」とか,「ガツガツしていて,見栄えが良くない」などと感じたことはありませんか。
若い頃の私自身は,食べるのが早く犬食いのようにみっともない姿で食べていたように思います。その姿を見た周りの人は,人格的な面からも私に良い評価は下されていなかったことでしょう。逆に,美しい食べ方をしていると,知らず知らずのうちに「周りの人から一目置かれる存在になる」ということもあると思います。
しかし,そんな現実があるにもかかわらず,「美しい食べ方とはどんなものか」ということについて,正式に学んだことのある人は少ないことでしょう。例えば,皆さんは「カレーライスの美しい食べ方とはどんなものか」ということについてご存知ですか。「カレーライスにも美しい食べ方があるのか」と,驚かれる方も多いことでしょう。
カレーライスはルウの黄色がどうしてもお皿に残ってしまうのが気になる料理です。そのためカレーライスを食べるときは,ルウとライスの境目から食べ始めるのがポイントです。その境目にスプーンを縦に入れ,ライス→ルウの順にすくって食べ,ライスをルウに寄せながら食べ進めます。このように食べるとお皿にルウが残らず,きれいなお皿でフィニッシュできます。お皿をルウだらけにしてフィニッシュする人と,このような美しい食べ方をする人とでは,何かその後の人生が少しずつ変わってくるように感じませんか。
このようなマナーは,ちょっとした心がけを持てば身につけることができるし,その後,周りの人からの好感度を高めることもできるでしょう。私はこのようなことを『世界一美しい食べ方のマナー』小倉朋子著〈高橋書店〉で知りました。この本を読んで「このようなマナーは,若いうちから知り,実践できるようにしておきたかった」と感じました。